安岡宏和 准教授 カメルーン派遣報告(2023/12/07-2023/12/19) 

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カメルーン派遣報告

京都大学大学院
アジア・アフリカ地域研究研究科・准教授
安岡宏和

図1:グリベ・フィールドステーションにおけるNTFPs生産・加工の視察

 2023年12月7日から12月19日まで、カメルーンに出張しました。カメルーン東南部の森林地域にはバカとよばれる狩猟採集民が住んでいます。この地域では、2011年から2016年まで、また2018年から2024年まで、京都大学が2つのSATREPSプロジェクトを実施してきました。私は後者のプロジェクト(コメカ・プロジェクト)で研究代表者をつとめています。このプロジェクトは、熱帯雨林に分布しているさまざまな非木材森林資源や野生動物のマネジメントのしくみを、住民たちと協働してつくりあげていくものであり、生態学的未来構築という観点で、本科研基盤研究S「アフリカ狩猟採集民・農牧民のコンタクトゾーンにおける子育ての生態学的未来構築」と問題意識を共有しています。
 これらのプロジェクトでは、現地に2つフィールドステーションを建設(一つは建設中)しており、カメルーン側カウンターパートのIRAD(国立農業開発研究所)が運営しています。基盤研究Sでも、大学院生等がステーションを活用して研究をしており、今後の研究活動においても活用していく予定です。
 今回の渡航では、すでにグリベ・フィールドステーションを拠点として京都大学とIRADが共同で実施している研究・社会実装活動を視察するとともに、建設中のズーラボット・フィールドステーションの活用をふくめて、これらの活動を基盤研究Sの研究にどのようにつなげていくかについて議論しました。

図2:建設中のズーラボット・フィールドステーション
図3:IRADにおける会議。進行中の研究活動・結果の共有とフィールドステーションを活用した今後の研究活動について協議した。

また、首都ヤウンデでは、フィールドステーションを運営しているIRADの研究者と会議をして、本科研にかかわる研究をふくむ進行中の研究活動・結果を共有するとともに、今後どのようにステーションを活用しながら基盤研究Sの研究をすすめていくかについて協議をおこないました。
 2024年度からは、2つのフィールドステーションを活用する研究において、基盤研究Sにかかわる研究活動が中心になっていきます。今回の渡航では、そのための基盤整備をおこなうことができました。